今の湿度計はデジタル式ですが、アナログ式のときはセンサーに水銀を使っていました。水銀は温度が上がると膨張する特性があるため、この膨張性を利用していました。気温が上がれば、水銀が膨張して、水銀柱が上昇します。見たことのある人でしたら思い出すかもしれません。
この膨張性を利用したのが水銀温度計です。湿度計の場合は、2本の水銀温度計を使って片方は湿った布切れで水銀球を包みます。それぞれに値の差が発生しますので、それぞれの値を差から湿度を測定します。デジタル式と違って水銀式は目盛りが見にくいという点と、差額を計算して湿度を割り出すといった作業が面面倒です。
そのため今やアナログ式を使っている人はほとんどいません。デジタル式の方が使いやすく、持ち運びが簡単、精度が高いといったことです。デジタル式の湿度計センサーは高度な感知機能になっており、安くで手に入りやすいです。機種にもよりますがスマートフォンのアプリとしてもあります。
水銀と違って、センサーの構造は複雑ですので素人にはわかりにくいかもしれませんが、それだけ機能性も十分であることがうかがえます。どこでも湿度をすぐに測れることは大きなメリットです。湿度計の歴史を語るうえで、水銀球があったことを念頭に置いてもらいたいものです。文明の利器としての湿度計は研究などのいろいろな分野で活用されています。
湿度を知ることは日頃の快適な空間を作っていくうえで大切なことです。