アメリカで開発された食品の安全管理手法であるHACCPは、1975年に危害分析重要管理点として日本に紹介されました。HACCPはHazardAnalysisandCriticalControlPointを略したもので、ハサップやハセップなどと呼ばれており統一された呼称はありません。食品の製造工程には何らかのトラブルを起こす要因を管理しやすい部分が存在します。そのような部分は必須管理点と呼ばれ、連続的に管理・記録して科学的な分析を行うことで食品の安全確保につながります。

HACCPは日本の専門家から危害要因の分析に基づく必須管理点と呼ばれており、この方法の中核を担うのが温度管理です。食品の製造工程において何らかのトラブルを起こす要因には、生物的なものの他にも化学的なものや物理的なものが存在します。これらの要因を科学的に分析して管理・記録し、適切な管理方法を決定することになります。具体的な管理を行う上で温度管理は非常に重要です。

食品を保存する際には冷蔵庫や冷凍庫の温度管理を適切に行う必要があり、製造工程では加熱する温度や時間を管理しなければなりません。物理的に適切な方法で管理を行うことで細菌の発生を抑えて食品の安全を確保できます。以前から食品関連業界では適切な温度管理による食品の安全の確保が重要な課題でした。2020年6月にはHACCPの導入が義務付けられることになったため、温度管理の重要性がさらに注目を集めています。

スタッフが温度計を目視して紙に手書きで記録する従来の方法では正確性に不安があります。また連続的に温度を記録できるわけではないので、専門のソフトを導入する企業が増えています。